京都・クリパルヨガのある暮らし

京都からクリパルヨガを伝えています。米国クリパルセンター公認ヨガ教師 hitomiのブログです。

過去を迎え入れる

わたしは、昔から、割と前だけを見て進んでいくタイプだったのですが

ここ最近、少し立ち止まって、過去を振り返るタイミングに来ています。

 

先日、仕事終わりに、写真家・冒険家の石川直樹さんのトークライブに行く途中に

大阪の淀屋橋に立ち寄りました。

 

淀屋橋といえば、会社員時代に勤めていた会社の大阪本社がある場所。

研修で何度も通い、同期と、楽しいことも大変なこともたくさんの想いを分かち合い、

今でも同じ支店で勤めていた同僚や同期が働いている想い入れのある場所です。

 

金曜日の夕刻、仕事帰りのビジネスマンが足早に、駅へと向かっている姿を見て、

仕事を辞めてから、10年くらい、訪れたことなかったことを振り返りながら

当時の記憶が蘇ってくるように、お世話になった人たちの顔が浮かびました。

 

・・・

 

社会人として、仕事を覚えて働くことに精一杯だったあの頃、

苦手なことも頑張って覚えて、ミスのないよう緊張感をもって働いていたこと。

 

いつも何かに追われるように、気ぜわしくて、

浅い呼吸で、その日その日を何とか、こなしていたこと。

 

仕事が終わり、週末になると解放され、

月曜日から、また気合を入れるモードになる。

 

そんな毎日への違和感が日に日に大きくなり、

ついに仕事をやめる決心をしたこと。

 

・・・

 

会社員を辞めて、

自分の道へと進むと決めたとき、

ヨガのティーチャートレーニングを終えた直後ではあったのですが

先のことが見えていたわけではありません。

 

何もわからない、未知の世界へと飛び込もうとしたとき、

社会的な地位や安定した収入を手放すことに

不安がなかったわけではありません。

 

親からは当然のように反対され、

それを説得するだけの言葉も持ち合わせていなかったのが事実です。

 

それでも、わたしが手にしたかったものは何だったんだろう。

これから生きる上で、大切にしたいことは何だったのか。

 

『自分らしく生きる』

 

当時、人生でそれ以上に大切なことはないと確信し

何かに突き動かされるように、

これまでいた世界の扉を閉めて、

新しい世界へと向かって歩んできました。

 

その後、過去のことを振り返ることもなく、

前だけをみて、直感だけを頼りに進んできたのです。

 

最近、ふと、こころにゆとりができたのか、

振り返ると、すべての出来事は、一見バラバラに見えても

今へと繋がっていて、

当時は気付かなかったけど、

たくさんの人に気持ちを向けてもらい、育てられて、

反面教師と思える人からも、その時必要な教訓を学ばせてもらって、

今のわたしが作られてきたと、気付くようになりました。

 

 

会社員時代、6年間営業アシスタントとしてついていた営業さんは

異動になる前「彼女(わたし)が辞めたいと言ったら、誰も止めない様に」と

周りの人に忠告して下さっていたことを聞いて、

当時は受け取れなかった、その優しさ(愛)を知ることになりました。

 

自分のことで精一杯で、駆り立てられるように、

前に向かっているときは、人のやさしさや思いやりに気付かずに

うまくいっているのは、当然のように思っていましたが

ふと、立ち止まると、見えないところで、

たくさんの人に助けてもらってきたことに気付かされます。

 

ヨガでは、よく「手放す」ということが言われますが

手放してきたものの中には、

過去に置き去りにされている「真実」が眠っているようにも思います。

 

折に触れて、過去を迎え入れることで

すべてを含めた、今ここへと統合されていく

そんな時を過ごしています。